くぬぎの森寄生計画 作業日誌

坂本善三美術館シリーズアートの風vol.7 「吉村形展 くぬぎの森寄生計画」公式ブログ

寄生計画日誌10/14

天気 雨

気温 15℃

食事 朝 コーヒー 昼 カツ 夜 ビーフン

 

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ストーブに火を入れてみた。

試運転だ。

ちゃんと煙が吸い込まれていく。昨年は鳥が煙突に巣を作って、オーバーホール…。こういう自体にならなくて一安心だ。

火は良い。

櫟の森の冬には絶対に欠かせない薪ストーブ。この安心感といったら半端ない。今月末には運転開始だ!

 

さてさて、今日の寄生計画というと、屋外作業は諦め、作業部屋の整理。物が多過ぎて片付かない。福岡の作業場から持ってきた過去の作品もだんぼーるに入れたまま。開けると時が止まりそうなんでスルーし、屋根裏の整理。ここにも色々あるわあるわ。…父の油絵の具やらキャンバス、写真…

そしたら新聞紙に包まれた何か気になる物体を二つ発見。

なんだなんだと開けて見ると、昔作った犬だった。下に降り明るい場所でこの犬を見てみると、これ売ったんじゃなかったっけ?何でここにあるんだろう?って自分の記憶の中に、この犬の存在は消えていた。曖昧な過去を引っ張り出してしまった以上、少し眺める事に。

色を少し塗り直してみようと思って、また眺める。結局、少し塗り直す前に、彫り直しもした。数時間後なかなか良い感じに仕上がり自画自賛。

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作品は狛犬の様なユーモラスさ、悠然と鎮座する雰囲気を出したいと当時思っていた。モデルは家の柴犬。名前は"てん"いつも春日市の仕事場に連れていって一緒に過ごしていた。臆病者で、この作品とは似ても似つかない。でも柴犬はずっと昔から居る感じがして、そこについては"てん"も同じ匂いがした。
来年2018年は戌年。
父吉村郁夫も戌年。
来年、この作品が何処かへ行ってご主人を守ってもらいたい。

作品タイトル
昔の犬

作品タイトルはエレカシの昔の侍からイメージ。侍の愚直で不器用な生き方。お殿様の為に生きて死ぬ姿が、柴犬に重なった。

 暫くの間、くぬぎの森に鎮座し、守ってくれるだろう。

 

 

寄生計画日誌10/14

天気 くもり
気温 18℃
食事 朝 コーヒー昼 パン 夜
体重 78.9kg

 

今日は染織の日。

えりさんがやって来る日だ。

雨が気になる。朝起きると空はぼんやり、いつ降ってもおかしくない様子。

完全にスタンバッている…だろ。

不安定要素が盛り沢山のくぬぎの森。お客さんが来る時くらいは、堪えてくれよ。

 

小川から水の流れる音が聴こえる。石を小川から上げようと川に入るが、冷たくてもう入れない。1週間前は大丈夫だったのに。

さてさて、そうこうしていると、えりさんがやって来た。

黒髪、モスグリーンのブラウス、ベージュのチノパン、ネズミ色のエプロン、紺の足袋。写真を撮り忘れてしまったが、くぬぎの森にピッタリの装い。森で染織ガールみたいな雑誌があれば、3、4ページの特集を受けるだろう。エプロンは先日染めたものだ。足元は機動力重視で足袋だ。

意識高い女性の横で、野球帽の僕は、火をおこす作業に取り掛かる。

 

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 今回は二度目という事で作業も順調。

焼き芋したかった。

 

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蒸しあがった布を取り出し…

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冷ます。

 

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湧水で洗う作業。絶えず笑い声が森に響く。女性がこの姿勢で布を洗う。なんか懐かしい光景だ。

 

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布を洗い終わると干す。

 

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 森で洗濯し干す

この作業は昔からやりたかったこと。

染織で初めて行われた。

皆さんの布が堂々と森にマッチングした。

 

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雨も堪えてくれて、無事ミッション終了。ギャラリーでパティスリールイのケーキとコーヒーを召し上がられた。

 

僕も母と別部屋で暫し休憩。

えりさんの手作りお菓子とコーヒーでまったり。食べていると、皆さんの笑い声が絶え間なく聴こえる。こんな事一年に一回あるかないかの賑わい。

人が笑う。

僕らも笑う。

 

これって本当幸せな事だな。

 

えりさん、山下さん、メンバーの皆さん、本日はくぬぎの森で作業して頂きありがとうございました!

くぬぎの森のポテンシャルがまた引き出されました。染織は森を美しく見てせくれます。森を包み込むような、母性を感じます(^^)。

また来年やって下さい‼︎

 

 

ありがとうございました(^^)

 

 

宣伝も少し… 

12/3最終日までパティスリールイのケーキを置いています。

パウンドケーキ1550円

コーヒーセット650円

お菓子250円

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寄生計画日誌10/12

天気 くもり
気温 21℃
食事 朝 コーヒー昼 パン 夜 鶏鍋
体重 78.9kg

 

斧でくぬぎの木を叩き、皮を剥がす単純作業。叩いたあとの仕上がりが僕は好きだ。鑿あとはまた違った良さがある。

僕の斧は刃先を少し扇型にしてるんで、"ちょうな"のような叩き跡を残す。

 

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痕跡は何かを作れば必ず残る。

爪で引っ掻いたとしても、残るはずだ。

 

模様を作るわけではない。

ただ叩けば良いというものでもない。

 

斧が僕の無意識の中で動いていく。木と僕の間で単純作業をするのだ。

 

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 まだまだ木と呼吸が合わず…だ。

何本も何千回も叩いていけば、何処かに辿り着ける。とは思う…

 

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もうしばらくは花も咲いてくれてる。

この花は摘むのはやめよう。

 

 

 

 

寄生計画日誌10/8

天気 くもり
気温 21℃
食事 朝 コーヒー 昼 パン 夜 飲み会
体重 79.2kg

 

くぬぎの森寄生計画ワークショップ

"木偏"レポート

 

参加者

大人10名 子供 9名

 

10:30過ぎ作業開始。

先ずは本日のミッションを解説。

くぬぎの木の皮を縦長に貼り付けていく。テトリスの様に隙間なく埋める。

 

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 ボンドでくっ付けていく単純作業。

 

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 大人も子供も単純作業に没頭。

 

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斧で叩き皮を作る。なかなか叩く力や、ポイントが難しいが徐々に様になってくる!

 

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お昼前に皆でくぬぎの森の一番見晴らしのいい場所へ移動。

 

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終わりの始まりに二人立つ。

舞台で漫才?

 

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春日市長も来ていただきました。

遠いところありがとうございました。

 

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さて作業再開と思いきや…

フリー演技始まる。ミッションは途中でストップしたが、まぁこれが"くぬぎの森"という感じ。

やりたい事をやる。

森で走り回り

木の実を拾い

小川で魚を眺め、捕獲しようとチャレンジ

木登りしたり探検したり

 

まだまだ何でもできる

皆が思い描いたイメージがくぬぎの森で動いていくのだ。

 

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ミッション二つ目は…

枝を束ねたり、花を積み束ねる。

 

"束ねて吊るす"

 

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枯れていく様子が何とも言えない。

吊るされると独特の存在感を放つのは何故だろ。

熟成される過程を見てもらいたい。

 

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くぬぎの森で採れる草花や、木々の枝ををもっと吊るして森を熟成させて見たい。

 実はこの作業、くぬぎの森らしさを一番現してるかもしれない。草を刈り取り、木を剪定することの延長にあるのだ。

 

たくさんの方に集まって頂きありがとうございました。

小国町町長、春日市市長や、本当に沢山の方が来て森を歩いてくれました。

終わりの始まりまで歩いてもらいたい、森をじっくり感じて、お茶を飲んでもらう。このパターンが自然にできて来た事が何よりです。

 

また来週も沢山の方に歩いてもらいたい!歩いて歩いて下さい(^^)

お待ちしております(^^)

 

 

 

 

寄生計画日誌10/6

天気 雨
気温 20℃
食事 朝 コーヒー 昼 パン 夜 ビーフン
体重 78.0kg

昨晩から明け方にかけての大雨。
雨音で起こされると眠れなくなり、明日の外作業の事が気になりだす。
多少のびしょびしょは想定内。

世が明け外に出ると、雨は止んではいたが、くぬぎの森はしっとり。くぬぎの枝が垂れ下がり、そこに鳥がとまると、雨粒がぱらぱらっと落ちる。鳥も昨晩の大雨はうんざりしたようで鳴き声が元気がないような…

小屋で作品のキャプション制作しようと思いきやまた雨が降り出す。小屋にまで雨が入り込む嫌な展開。

 

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キャプション。

くぬぎの木である。斧でやる仕事はグリップの使い方が難しい。力使い過ぎると疲れるだけ。

リズムと角度。

斧を打ちつける事に集中。

絵を描く事から、斧でくぬぎの枝を叩き続ける作業は今年いっぱい続く。

同じ事の繰り返し。

何も考えないでも、スムーズに手が動くように…

 

さてお客様も来て頂いた。

2週間前にも来てくれたのだが僕が留守で会えなかった。

 

痩せ型の男性は雨の中、くぬぎの森を歩いてくれた。終わりの始まりまで歩いてくれて、石のモニュメントに今日もお客さんが立ってくれた。

ここへ立てば必ず気持ちがスッキリしてもらえる。特に自分にストイックな人なんかは絶対だ。オカルトでもなんでもない。森から放出される何かが、人間との間で化学反応を起こすきっと…

 

 

お客さんは僕と同じ歳の43歳。

ボクシングをされていたそうだ。

どこか乾いた感じで、静かな物腰、喋り。乾いた気持ちは森でリセットして潤いをもたらしたのか?

 

ストイックにボクシングに打ち込んで来たのだろう。目の奥はまだファイターである。一人でいることが好きだと言っていた。対人が苦手だと。

森はいつでもウエルカム。

 

ボクサーは絵の前に立ち、感情を押し殺すかのように少しシャドーをやり始めた。僕も軽く受けてみたが、鋭いパンチが僕の手のひらに響く。

 こんな事は初めてだったが、彼のシャドーはどこかこの空間にマッチしていた。

 

絵や彫刻、くぬぎの森から放出される何かと彼が化学変化を起こした瞬間ではないだろうか?

 

ボクサーは孤独だ。

世間との間のストレス。今の彼の気持ちがシャドーにすべて現れていた。

 

 

寄生計画日誌10/4

天気 晴れ

気温 25℃

食事 朝 コーヒー 昼 パン 夜 鶏鍋

体重 78.5kg

 

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日誌に体重を書いてる。

ほとんどの人がスルーすると思いきや…結構指摘を受ける。

 

意味など何もない。

ただその日やった結果が、体重に反映される様な気がする。

 食事制限などはなし、普通に食べる様にしている。

 

巷じゃ空前のダイエットブーム!健康ブーム!そしてボディーメイキングときた…他人からどう見られているかを多くの人が気にしていて、健康というより自分の身体を美しく見せようと皆さん頑張るのだ。

 

それには僕はあんまり興味がわかない。

もし美ボディを嫁が目指し始めたら、必ずやめさせる。そもそも何をもって美ボディなのか?

シックスパック?

お尻のライン?

オッパイの形?

腰のくびれ?

これ女性に限った話ではなく、男性も当てはまる。男女関係なく同じ様な事に意識をもっていかれてる。

シックスパックの女性を見て、頑張ってるな。すごい努力をしたんだろうな、

関心する。

でも食べている物、その人の顔つきを見ると、とてもドライに見えてしまって、とても美しさを感じるとこまではいかないのだ。何処か乾いているというか冷めた雰囲気。

男女関係なくそんな乾いた生活をしている人がなかなか結構な数いると思われる。

 

 みたくれが大事な時代。

今はそんなギリシャ彫刻の様なムキムキボディを男女とも求める時代。

女性は、マイヨールの彫刻の様な丸みを帯びた美しいフォルムからは遠ざかるのか…

 

ジムに通う人々。

閉ざされた空間。

そこで汗を流し自分の理想の体型を追求するのだ。都会的空間。真面目なストイックな人間が養成されていく。

造られた身体が社会を形成していく。

どこにも余裕もない、花一輪もない様な…そんな乾いた社会をイメージしてしまう。

現にそうなっちゃいないか?

 

見たくれだけで人間は幸せなんだろうか?美ボディを手に入れても満たされない様な気がする。

 

 

前に戻って、僕は体重を書いてる。

くぬぎの森で労働し、変化した自分を体重に託している。

森で作業する事で得られる幸せな感情。

労働が多少ハードでも、変わっていく森を見て嬉しくなるのだ。

怠ければ体重も増えていくだろうし、頑張れば減る。単純な数字だ。

 

 寄生計画の中で動いていく事で

自然とぶつかる事が出来る。

 

木を切り、運び、積み上げる

石を拾い、運び、積み上げる

 

草刈り

小屋作り なんか色々…

 

くぬぎの森で労働というからには、体力をちゃんと使う仕事をしなければならない。リアリティがなければ僕の仕事は嘘になる。

多少キツくないと成立しない場面もある。

10/1に初日を迎えたが、ほとんどいつもと変わらないくぬぎの森。今日も、明日も…ここで作業をするのだ。ここに居る限り。

それを人に見せようとしているから…僕もよそ行きになって、くぬぎの森でやらなくてもいい様なことまで、やり込みたくなる衝動に襲われるのだ。 今回はごちゃごちゃしない。だだ僕は外に出て作業する。

 

さぁ明日は体重何キロだろう。

 

 

寄生計画日誌10/1

天気 くもり
気温25℃
食事 朝 コーヒー 昼 パン 夜 焼肉 ビール
体重 79.6kg

 

くぬぎの森寄生計画初日。

来客者 若菜ちゃん親子三人が来てくれた。2年前の若菜ちゃんの個展に行って凄く刺激をもらったのを思い出した。

 

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僕は森のガイドになり案内。

"終わりの始まり2012-"まで歩いてもらう。

なかなかの運動量になるようだ。

少し皆さんの呼吸も乱れ気味。

牧場の草刈りでトラックが出入りしたりで午前中は賑わってたが、午後からほぼ無音。

この無音に皆さんとてもびっくりされていた。

 

その後、若菜ちゃん家族は坂本善三美術館へ行ってくれた。

 

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薪も増えて来た

冬の準備も何時もより段取りいいんじゃ?

 

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森の道標を作成中なり。

オレンジ色というよりバーミリオン

少しキツイ色だな。

でも冬になる頃には落ち着いた色になるはずだ。葉っぱが落ちバーミリオンやオレンジがくぬぎの森に落ちる雰囲気が早く見たい。

 

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熟成されて来たようだ。

来週10/8はワークショップ木偏

晴れてくれー